米田達とジョーンズカフェ

ふっと目が醒めると、列車は停まっていた。

時計をみると、午前3時。やばい、トルファンに着いたのか?

大騒ぎで荷物をまとめる。

同室の中国人も手伝ってくれた。

車掌はモーニングコールはかけてくれないのか(怒)。

降りたった駅の名はトルファン

トルファン駅は市街からずいぶん遠い。

この時間帯だと、バス等はすでにない。

汽車が停車した直後だったら何本か出ていたのだろうが、、、

駅の待合室に戻る。

睡眠は十分に取っていたつもりなので、あと7時まで5時間待っていようかと思った。

しかし、やっぱり眠い。

こんな中国人ばかりの所で居眠りすると荷物が危険なので、宿を探すことにする。

真っ暗な中、宿をさがす。

駅のすぐ前の宿に泊まる。3人部屋で30元。

トイレはぞっとする程汚かった。

同室はよくいるタイプの中国人。ブリーフ一丁で寝ている。

翌朝、宿から駅を眺める。

日本人バックパッカーの3人連れがいた。

今すぐ荷物をまとめてもよかったのだが、一息つける。

チェックアウトして、バスを探す。

バスはガラガラ。

乗客2人のみをのせて走り出す。

ラッキー。と思っていたのだが、トルファン駅近くのバスターミナルで客集め、

やっぱりぎゅうぎゅうづめのバスで向かうことになる。

バスは涸河の中を走る。

道路がこわれているらしい。すごくゆれる。

トルファン市街バスターミナルへ到着。

オスマンという男がホテルの斡旋をすると話しかけてきた。

ウイグル語は日本語と同じ文法体系だから楽に日本語が話せるのだろう。

オスマンに言わせると、今、トルファンは中国人団体がやってきていて、

安宿は全て埋まっているそうだ。

交通賓館の200元の部屋を紹介してもらう。3部屋見たが、トイレが流れなかったり、

フロのふたがなかったりで余りよろしくない。

湯が昼の1:30から出るということなので、ここでもいいやと思う。

ホテルのロビーで手続きの順番が来るのを待つ。

日本人バックパッカーの2人組に出会った。

彼らは今、チェックアウトをして、ウルムチへ向かうそうだ。

彼等の言う所によると、200元の部屋は高すぎるので、

トルファン賓館の前にある、ジョーンズカフェに行って、

情報を仕入れた方がよいとのこと、

腹もへっているので、そうすることにする。

ジョーンズカフェへはオスマンが案内してくれるという。

ブドウ棚のアーケードを歩く。

ジョーンズカフェでは見た顔に出会った。

彼の名は朝倉さん。敦煌で小川さん達と行動していた人だ。

もうウルムチへ向かうそうだ。

トフファンは干しぶどうがうまいそうだ。

おみやげに買って行きたかったそうだが、

売店は閉まっていて残念だと朝倉さんは言っていた。

 ホテルにチェックインしようとする。

まず部屋を見せてもらうことにするが、しばし迷う。

ドミトリーのある建物には、男が一人机に座って番をしている。

看一看房間

たずねると、彼は日本人だったそうだ。

小姐がサボっているため、部屋に入れなくて困っているとのこと、

彼の名は中山さん。

天津に留学しているそうだ。

9人部屋には西洋人が一人と中山さんを含めて日本人は2人。

この部屋にすることにした。

フロントにてチェックインをする。

受付の女性は日本語ができるらしい。

彼女は,「1人で歩ける世界旅行100%」なる日本のガイドブックにのっていた。

中山さんの部屋に決めてチェックイン。

中山さんはすでに出掛けているようだった。

 ジョーンズカフェに向かう。

ここは日本人が多く、情報交換の場になっているそうだ。

途中、中山さんに声をかけられる。

明かにウイグル人とみえる男と日本語で話している。

なんだ一体ここは。

そのウイグル人がブドウ棚のブドウをとってくれた。

外国人が取ると罰金だそうだ。

2人組の日本人がやってきて、ブドウでアシカの曲芸をやってくれた。

 ジョーンズカフェにて、中山さんとウイグル人のウマールとお話をする。

明日、ピチャンの砂山公園に行くために、人集めをしようということや、

漢民族はきらいかとの問いに対して、ウマールが

「とんでもない」

と答えたのはとてもおもしろかった。

ウイグル人ムスリムのくせして、婚前交渉も

「仕方がないよー」

とか、

ビールは酒じゃない

とか、

タバコもすっていたりする。

 斜め向かいに座った日本人の2人組に中山さんが誘いをかけた。

得意の弁舌で

なんて口調で、

彼は結構お調子ものらしい。

パキスタンのパズーという街は天空の城ラピュタのモデルになっているなんて、

面白い話もきけた。

そういえば、ラピュタの主人公の男の子の名がパズーだったけ。

2人組は今日、CITSのツアーに参加していて、今、お昼休みだったそうだ。

明日8時トルファンホテルの前という約束で別れた。

席を外していたウイグル人ウマールがやってきた。

また長々と話をする。

 ぜひ、女の子も誘いたいよねという僕の問いかけに、中山さんは、

女の子の1人旅に声をかけると、とても警戒されるから、いやだ。

なんてことを延々述べてくれた。

1つ向かいに座っているのは、関西人と西洋人、どうやら、日本語で話しているらしい。

 西洋人の名前はベイデン。日本で認め印を作るとき、米田という

名前で安く上がったそうだ。

 中国人ムッチャむかつくわーというベイデンの岐阜弁と、同行の日本人

越井さんとの会話で時は過ぎた。

日本人の一人旅の女の子久保さんも交えて、

ジョーンズカフェには結局7時間もいた。

 ウマールと中山さんと屋台にでかける。

チャーハンとシシカバブ、ウマールのおごりだ。

帰り際に明日一緒する2人組に出会う。

トルファンホテルの前で大西さんという女の人を明日ピチャンに行かないかと

さそったところOKだった。